
あまくさ乳腺クリニック
所在地:熊本県天草市
用 途:クリニック(乳腺外科)
竣 工:2023年9月(10月5日開院)
構 造:木造在来工法2階建て
床面積:243㎡
女医先生が天草市に新しく開業された乳腺外科クリニック。
施設の配置は、本施設に通院される患者さんの車でのアプロ-チ動線から、敷地手前側に駐車場、敷地奥に施設を配置して施設全体が見えるように配置しました。これには、もうひとつの理由もあり、敷地は八幡という地名のとおり北西側に50m程に八幡宮があり、神道の神の通り道であるこの地(場所)の記憶を、現代に建てられたこの建築が塞がないよう意図したため。
先生の要望は、乳腺クリニックという女性専用でもありデリケ-トな施設の性格上、明るく開放的でありながらもプライバシ-の側面より安心感のある施設空間でした。
そこで、駐車場や道路の二方向から窓を通して室内が直接見えないよう、本体の外側にもう一枚外壁(スクリ-ン壁)を設け、バッファゾ-ン(干渉地帯)を介して外部と繋がるような平面計画としました。但し、壁を立ち上げただけの、いわゆるコ-トハウス形式にしてしまうと街に対し閉鎖的な施設となり、セキュリティの観点から、もしも不審者が侵入した時に室内の雰囲気が全く外部からわからないのは適切では無いと考えました。そこでスクリ-ン壁には、道路や歩道を歩く人との視線が交錯しないようにしながら圧迫感や閉鎖感を緩和するための通風と採光を兼ねてランダムな開口(孔)を設けています。その開口からは空が見えるだけでなく、歩道に設けられた花壇の木々、対向地の樹木などが借景のように室内に取り込むようにしています。バッファゾ-ンに面しては大きなガラス面として、木々の緑が風や太陽の移ろいが木々の影によって感じられるようにしています。また、バッファ-ゾンに植えた樹木はその孔から外部に溢れ出させることで街並みや道路の景観に潤いを寄与しています。
外壁は清潔感があり耐候性のある白い外壁とし、施設廻りの足元や室内の仕上げや設備機器など随所に地元で採掘された白や少しオレンジがかった天草陶石を使用(手洗い器は原料となっている製品)しています。インテリアデザインは先生の希望であるスタイリッシュで女性専用の施設らしいエレガントな雰囲気となるよう素材と間接照明によって、やさしい癒しと落ち着きのある施設となるように意図しました。
設計・デザイン・監理:一級建築士事務所AND























