ヱビス薬局本町店
所在地:熊本県八代市本町
用 途:調剤薬局
竣 工:2020年
構 造:木造在来工法2階建て
床面積:150㎡
八代アーケ-ド近くに建つ調剤薬局(※当事務所初の竣工プロジェクト)
八代市本町アーケ-ド沿いに開院した病院の隣接地に建つ調剤薬局「ヱビス薬局 本町店」。
隣接する町で本事業を営まれていた事業主と初めてお会いし面談したのが3月下旬。周辺には既に複数件の調剤薬局がある中「隣接する病院のオープン(5月)から数か月遅れのオープンとなってしまうがこの地に開店したい」ということであった。薬局の設計~建設スケジュ-ルから隣接する病院のオープンから6か月後となるため、後発でのオープンながらも患者の流れを本薬局に引き込むことができる魅力的な施設デザインとなること、地域の祭りなどの時には開放して利用できるような薬局となることを要望されました。また、漢方のお茶を店内サービスとして提供する「調剤薬局の中に漢方カフェを」という施主のキーワ-ドを「漢方カフェの中に調剤薬局がある」と読み替え、既成の薬局がもつイメ-ジにとらわれない開かれたカフェのような街並みの景観に寄与できるようなデザインを目指しました。
1階を開放的な空間とするため、閉鎖性の高い調剤室や事務室・スタッフ休憩室を2階に全て上げ、1階には開放的なできる待合室や受付・多目的スペース等としています。前面はガラス張りのオープンで入りやすい印象とするため、2階部分を支える柱はガラス面より内側に設置し、自立式の輻射式冷暖房機器と構造柱が一体に見えるようにデザインし2階の白い箱のボリュ-ムが浮遊しているようにしています。病院側のファサ-ド面のガラス面は床上40センチの位置で本体から持ち出し出窓のようにして待合のベンチとして兼用。また、そのガラス面は既製品サイズで対応できる高さとし外部からの室内の視認性を高め、隣地境界線から3040ミリの距離を確保することで網の無い透明なガラスとしています。隣地境界線から建物の距離を3m程度確保したことで病院側の駐車場に対しポケットパークのようなゆとりある空間をつくっています。
大きく斜めにせり出した壁と庇は病院からのエントランスの視認性確保と、雨天時に訪れる患者さんを雨の暴風時の横降りから守り、かつ、ガラス面からの夏至の直射日光(北向き建築により夏至)が室内へ入らないよう日陰のシュミレ-ションを行い角度・出幅を決定しています。
設計・デザイン・監理:一級建築士事務所AND
エビス薬局HP comsy.co.jp