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熊本 設計事務所 一級建築士事務所 コンクリ-ト住宅 豪邸 白い家 RC住宅 コートハウス

弧を描く壁の家

※前事務所管理建築士時代の担当プロジェクト

前面道路幅員4mで住宅の密集したどこにでもあるような住宅開発地の角地に建つ個人住宅。

 施主も一級建築士(主にビルの設計を手掛ける)。あえて自宅の設計の相談・依頼を頂くこととなり、本プロジェクトは2017年の夏に始まりました。

 以前より同じ場所に中古で購入された木造住宅にお住まいであった住宅を建て替えるにあたり、変化に富んだ豊かで明るい住空間の創造と、客観的な立場でご家族の意見をまとめてほしい、そして、RC造でつくりたい、との要望でした。

 

 設計の手掛かりを得るために現地に佇んでいると、偶然、近所の保育園児が日課としている散歩に出会いました。その状況をしばらく眺めていると、歩道も無く生垣や塀によって見通しが非常に悪くなった角地の道路を、車に注意しながら大廻りに進んでいく光景が目に飛び込んできました。

 そしてごく自然に、この子達の安全性の確保から角地の部分が外壁と目隠しを兼ねた死角の出来ないカーブ(弧)を描いた壁による建築の姿が浮かびました。

 弧を描く壁が決まった後、道路境界線に沿って塀や生垣を設けないで近隣からの視線を制御しながら目隠しのためのカーテン類の必要の無い開放的な暮らしが実現出来ないか、と考えました。また、熊本は西日の日差しが特に強い地域であり、真南の日射であれば庇で制御は出来るが、高度の低い西日の強い日差しは壁面での制御をする必要があるため、弧を描く壁の膨らみと内部空間との距離が、南から西にかけて狭まっていくことは環境制御の観点からも非常に理にかなう。また、強い日差しを直接室内に取り込むのでは無く、近隣の視線を遮りつつ外気負荷を抑えるよう、南東西の弧の壁の裏側に階段や坪庭・テラスなどを設けて、その空間で一旦日光を受けそこで拡散された間接光のようなやさしい光が、その奥に配したリビングや個室にはいって満たされるように意図しています。

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